幼児がお金を稼ぐことに挑戦した日。《その2》
幼児のお店屋さんの考え方は、「私の好きなものはみんな好き。」
どんな物を作って売って稼ぎたいの?とアイディア出しをしたところ、
「かわいいアクセサリーが売ってたら、みんな嬉しくて買うと思う!」
と申すわけですよ。
全人類が娘のようなプリンセス愛好家なわけはないのですが、
自分の「好き」という感覚を、微塵も疑うことなく万人の「好き」に広げてしまえるところが幼児の素晴らしいところですね。
記念すべき最初のお店は、「ビーズのアクセサリー屋さん」に即日決定いたしました。
娘の初めて出すお店。
娘の娘による娘のためのお店であるべきで、それでこそ学びがあるものと僕は信じていました。
そして、「娘のお店」であることを守ろうと、純な心で極力口出しを控えるようにしていました。
幼児と小学生ではお店のレベルが違った。
迎えた「こどもふろしきいち」当日。

商品は計8つのみ。ブレスレット2つに指輪が6つ。
右後ろに見えるセロハンテープが貼ってあるものは、商品を渡す時に使う手作り紙袋。
そして、お金を持っていない幼児向けに葉っぱなどと物々交換できる塗り絵達。
看板なし。値札なし。辛うじて値段付けはノートにしてきていたので、ノートを見ながら対応。
お店のレイアウト・装飾までは気も手も回りません。我が家の年中児独力の限界がコレでした。
はた目に見てちょっと寂しい。
それでも頑張っていたのです。会場に到着するなり父なしでせっせと準備をし、緊張しながらも売る気マンマンでした。
しかし…小学生達の店が出揃うと…
気勢を完全に削がれる幼児(と、その父)。
正直、小学生をなめてました。
小学生女子達のカワイイアクセサリーとレイアウト。
しっかりと値札がつけられ、看板やチラシがあり、きちんとお店としての体裁が整っていました。
全然レベルが違うよコレ。
さらに彼らもまた出店に慣れているわけでなく、余裕はなく緊張しているため、開店前に他の店を見て回るその眼光は鋭い。
ライバルの商品を値踏みするように回っていきます。
独特の緊張感が漂う中、娘のお店を何人も眺めては通り過ぎていく。
ほとんど誰も何も言わない。
正直、僕も娘も冷や汗がダラダラ流れてました。
だって、年中児ですよ!?親のサポート最小限でよくやってるって!
絶対みんな「うわー!これ作ったの?素敵ッッ!!」ってチヤホヤされると思ってた。
「よく自分なりに考えたねッッ!」ってほめてくれると思ってた。
ごめん、お父さんうっかりしてた。
ここも立派な戦場でした。
「やべーーーーー。値札はどうとか、お店のレイアウトがどうとか、商品の数がどうだとか、うるさくいっときゃよかったーーーーーーー!!マジでごめんよーーーーーーーーーーーーーーー!!」
と、心の中で娘に詫びることしかできず。
とはいえ、もはや戦場でオタオタ出しゃばって路線変更するのも、状況を悪化させるのみ。
娘がこの持ち札でどこまで踏ん張れるか、任せるしかないと覚悟を決めていました。